Dimension Force

〜神剣の担い手〜

イントロダクション

 酷く蒸し暑い。
 辺りを見れば、何処も彼処もコンクリイトで塗り固められた無愛想な建物ばかりだ。
 異様に高いビルヂングの隙間にぽっかりと空いた風穴のような路地裏で、男は空を見上げた。
 薄暗い路地裏から見える空は狭く、息苦しさを覚える程に澱んでいた。
 あの頃の空は、こんなにも醜くはなかった……
 苦々しい表情で東京の曇天を見詰めていた男は、やがて路地の終わりを前にする。
 それは暗い袋小路に一筋の光明が差し込むかのような、まばゆい輝きを放っていた。
 男は土色の帽子を目深に被り直し、早足でその光へと向かったが、その先にあったものは彼の望む物とは掛け離れた光景であった。

 男が目の当たりにしたのは、何の変哲もない午後の新宿。
 行き交う人々は男の場違いな格好に振り返りはするものの、それ以上気にかけたり、ましてや話し掛ける者等は一人として居はしなかった。
 男は酷く渇いた獣のような瞳で通りを睨む。
 先程の路地裏同様、建物はどれもコンクリイトによって真四角に固められており、此処が誉れ高き大日本帝国である事など、とうの昔に忘れて来てしまったかのようだ。
 かてて加えて、通りを行き交う者たちは例外無く洋装に身を包み、外国人のように髪色を変えるものも多い。

 ……男の目には、それが受け入れ難い光景に映っていた。
「違う……」
 ビルを、往来を、そして其処を行き交う人々を睨みながら、男は小さく呟いた。
 流れる汗を拭おうともせず、男は季節外れの外套の中で、わなわなと肩を震わせた。
「こんなものは認めない。臣民の誇りを捨て、豚に成り下がったか……!」
 突然の叫び声にその場の誰もが足を停め、声の主を探した。
 民衆の注目を集めたのは、土色の鍔付き帽と、同色の外套を身に纏った長身の男で、彼がサッと右手を払うと、外套に隠されていた“右腰の軍刀”が露わにされた。
 しかし、平和惚け甚だしい現代の日本人が男の意図に気づいたのは、憐れにも、男が行動に移った後であった。
 右腰の軍刀を右手で掴むと、男は逆手でそれを抜き払い、手の中で半回転させた。
 一見すると曲芸でもしているのかと勘違いしてしまいそうな程に滑らかな動きで、男は刀を振りかざす。
 民衆はただ呆然とその様子を見詰める。
「悔いよ、非国民!!」
 恐らく無作為であろう。男は己のすぐ近くに立つ、金髪の若い女性を一太刀のもとに切り捨てた。
 騰がる血飛沫、声も無く崩れ落ちる身体。
 むせ返るような暑さの中、その通りだけが凍てついたかのように全ての動きを止めた。

 

 

1

 オフィス街と繁華街の中間とでも言えば良いのだろうか、通りの中でも往来の多い場所に、テレビドラマ等で見かけるようなビニールのテープで仕切りを作った警察官達が、通行人が立ち入らないようにと露払いをしている。
 既に昨日の通り魔事件は各種メディアによって報じられており、事件現場を見物しようと、通行人に紛れた野次馬も多数来ているようだ。
「全く、気楽なものですね」
 心底辟易した様子で呟いたのは、この炎天下の中にあって、長袖のワイシャツに紺のスラックス。そして袖無しの長い羽織を纏い、腰には刀という、何とも面妖な出で立ちをした男だった。
 珍事であるとは言え、事件発生から未だ一日しか経っていないと言うのに、殺人現場にわらわらと集まる精神が男には理解出来なかった。
 男の名は一青百鬼(しともと なぎり)。神社庁所属の特別対応班である。
 世間一般では、神社庁の特別対応班は「お化け退治の専門家」程度にしか考えられてはおらず、彼等の本当の役割を知る者は少ない。
「まあ仕方が無いんじゃあないですかね。珍しい物があれば我先にと集まって来るのが人心というものですし」
 百鬼の言葉に応じたのは、艶やかな浴衣姿の女性である。
 豊かな黒髪をラフに結い上げ覗かせたうなじや、男女問わずに振り返り、思わず確認してしまいそうになる程に豊満なバストを持つ彼女もまた、百鬼と同じ特別対応班の一員であった。
 名は阿傍閻(くまばた ちまた)。その女性的過ぎる容姿とは裏腹に、陰陽師と言う魍魎退治のスペシャリストだ。
「阿傍殿、何かその……情報は掴めましたか?」
 閻の無駄遣いし過ぎな色気を前に目の遣り場に困ったのか、百鬼は視線を泳がせながら早々と本題を切り出した。
 対する閻は、百鬼のそんな様子には慣れっこなのか、特に気にかける様子も無く、帯に挟んだ小さな手帖を抜き取る。黒いレースで縁取られた日傘を肩に挟み、両手で手帖を手繰りながら、閻は百鬼の質問に返答した。
「えっと……犯行時刻は午後2時を回った直後。御覧の通りの人通りでしたね。犯人は二十代後半から四十代と思しき男性。カーキ色で鍔つきの帽子に、同色のマントを羽織っていたそうです」
「他に特徴は?」
「目撃者の割に、犯人に関する情報はあまり上がっていないみたいですね。真夏にマントなんて羽織っていたら、やっぱそっちばかり気になっちゃうんじゃないですか?」
「いや、問題は其処では無いような気が……」
 そう、問題はその犯人が、白昼堂々と通行人を斬殺したという部分にある。
「あまりに衝撃的過ぎる光景を目の当たりにしたら、真夏のマントぐらいインパクトがある特徴しか覚えていないと言われても不思議では無いと思いますけどねぇ」
 そう言いながら、閻は右手の甲で自らの胸を押し上げ、帯の隙間に手帖を挟み込んだ。
 その仕草をついつい目で追ってしまった百鬼は、慌てて頭を振って邪念を払う。
「ゴホン……な、成る程」
「しかしですね」
 百鬼が咳ばらいをして誤魔化そうとした所に、ずいと閻の顔が寄せられる。
 香水だろうか? 百鬼には香りの種類は分からなかったが、清涼感のある香りがむせ返る程に熱せられた空気を彩った。
「一つ、気になる証言が混じっていたんです」
 僅かに声を潜め、閻は悪戯っぽい笑みを浮かべながら囁いた。
「一言一句間違いなくでは無いでしょうが……その犯人、非国民めーって言いながら、被害者女性に切り掛かったらしいですよ」
「非国民?」
 今時聞くことの無い単語に、百鬼は眉根を寄せる。
「そんな言葉を使うとすれば、トチ狂った極右か、さもなくは……」
 不意に言葉を切り、百鬼は閻へ目配せをする。
 閻も百鬼に視線を合わせ、互いの考えが一致した事を、暗黙の内に確認し合った。
「今回のヤマ、大当りみたいですね」
 閻がそう切り出すと、百鬼は大仰な溜息で返事をした。
 百鬼はかんかんと照り付ける太陽を恨めしそうに見上げ、目を細めた。

 今年の夏は酷暑になりそうだ。 

 

2

 咽が渇く。
 石造りの壁に囲まれるより、遥かに圧迫感のあるコンクリートとアスファルトの空間。
 男の居る場所には幾つもの室外機が置かれ、絶え間無く四方からの熱風に吹き曝されていた。
 汗だくになりながら男は忌ま忌ましげに室外機を蹴りつけ、しかしその場から立ち去ろうという素振りを見せる気配はなかった。
 時は日も傾き始めた午後七時。
 夏盛りの西日が差し込む上、四方のビルが吐き出す室外機の熱気が充満するその一角に立ち入ろうとする者など、ただの一人とて居りはしない。
 そんな都会のエアポケットに、彼は居た。
 現代の灼熱地獄のただ中で、カーキ色の外套を着込んだ男の顔には、びっしりと汗玉が浮かび上がる。
 ただでさえ鋭い双眸が、餓えと渇きからか、野獣の如くギラギラと光る。 
「そんなに暑いなら、マントくらい脱いだらどうだ?」
 不意に男に向けて若い声が投げ掛けられる。
 男は素早く反応し、声の発信源を警戒しつつ右腰の軍刀に手を伸ばした。
 声の主はすぐに見つかった。
 男の立ち位置から向かって左側。太陽を背に、ビルの非常階段に立つ人影からであった。
 男は黄昏の太陽に眼を細めながら、ゆっくり軍刀から手を離す。
「貴様か……」
 男の声に含み笑いで返事をしながら、非常階段から路地裏に降り立ったのはなんと、学生服に身を包んだ少年だった。
 体格も決して大きいとは言えない、むしろ華奢であるとさえ感じられる少年は、対照的にがっちりとした肩幅から、かなりの体躯を有するであろうと予想される外套の男を前にしても、毛ほどの気後れを感じさせはしない。
「ほら、水とメシだ」
 そういって、少年は片手に提げたコンビニのロゴが入ったビニール袋を男に向かって突き出した。
 男は暫く袋を睨むような目付きで見詰め、静かに右手を伸ばした。

 余程渇いていたのだろう、男は二本あるミネラルウォーターのボトルを一本。一気に近い勢いで飲み干すと、深く、そして大きく息を吐き出した。
「……済まないな」
 男がぽつりと呟いた言葉に、少年は「うん?」と小首を傾ぐ。
「本来ならば大人である私がしっかりしていなければならぬと言うのに、年少である貴様に頼り切りにならねばいけないとは……情けない限りだ」
 苦虫を潰したような渋面を作り男が吐き出したのは、なんと自身の不甲斐なさを詫びる言葉であった。
 確かにこの場に居る二者を比べれば、外套の男は学生服の少年の倍以上の年齢がありそうに見える。
 流石に親子とまでは行かないまでも、それに近い年齢差の相手に水や食糧を都合して貰わなければならないという事実を、男は大層気に病んでいるようだ。
 対する少年は、コンビニおにぎりの包装を解きながら「なんだそんな事か」と、事もなげに言い放つ。
「此処はあんたの時代と何もかもが違う。例えあんたが五体満足であったとしても、此処で人目に触れずに食糧調達なんて出来やしないだろうさ。それに……」
 おにぎりの包装を取り払い、少年はそれを男に差し出す。
「あんたは必要な人間なんだよ、山下少将。あんたの様に、腐り切った現代を叩っ切れる人間が」
 少年の落ち着いた中にも強い力を感じさせる言葉、そして瞳に、男の心は撃ち抜かれた。
 そう、初めてこの少年と出会った時と……変わり果てた日本に、一番見たくなかった日本の姿に深い絶望を覚えたあの時と同じ。一抹の希望を抱かせてくれるような、力強い日本人の瞳だと感じたのだ。
 この少年は味方だ。
 この少年だけは自分の味方だ。
 この、何もかもが腐り切った時代に残された、たった一つの希望。
 このような少年が居てくれるのならば、この国はきっと元通りになる。
 強く、美しく、誇り高い国に。

「……感謝するぞ、国綱」
 男は少年から、やはり右手でおにぎりを受け取り、それを口に運んだ。
 美味いのかまずいのかもよく分からない、珍妙な具材が詰まったおにぎりだが、男はそれをぺろりと平らげた。 

 

3

「ほむらさん……」
 薄ぼけた景色の中で、一人の女性が私の名を呼んだ。
 ああ、此処に居るよ。
 私が応えると、その女性は無邪気な子供のように、私の許へと駆け寄ってきた。
 霞んだ視界の中で、手を伸ばせば届く距離に来た彼女の姿だけが、はっきりと浮かび上がる。
「ほむらさん、もうすぐ行ってしまわれるのですね」
 彼女はそういうと、その切れ長の目に、憂いの陰を落とした。
 いつもいつも、私は彼女に心配をかけてきた。彼女の艶やかな黒髪に白いものが混じり始めたのも、私などという男について、重なる心労に堪えてくれているからに違いない。
「薫子さん、もう少しの辛抱だ。もうじき、この長い戦も終りを迎える。そうしたら……」
 私は彼女の肩を抱く。
 護らねばならないものがある。
 皇国の民、誇り、栄光。
 そして何より、私が愛した唯一人の女性を護らなくてはならない。この身に代えても。
 しかし戦火は止まる所か、より一層、激しさを増していた。各方面軍は撤退を余儀なくされ、水軍もその悉くが駆逐されるに到った。
 来たる本土決戦を前に、沖縄に配置された部隊は劣性を極めていた。台湾方面へと主力を割いたがために、積極的な作戦から、持久戦への転換を余儀なくされた皇国軍は、既に潰滅を待つのみとなっていた。
 私は幾度となく、我が山下特装旅団の出撃許可を首脳部に掛け合った。しかし返って来るのはいつ如何なる時も、決まり文句めいた命令のみである。
 本土決戦までは堪えろ。
 それが大本営の意向であったが、私は既に我慢の限界に達していた。
 故に、我が山下特装旅団の出撃許可が下りたとき、私は声を上げて喜んだのだ。

 薄曇りの朝、私は新たに与えられた将官の軍服に袖を通し、高ぶる気持ちを抑えながら、故郷を後にした。
 長く、そして辛い戦いになるだろう。私は、私が護るべきものが沢山詰まった故郷を振り返り、胸に焼き付けた。
 薫子さん、私は再び戦地へと赴かねばならない。だが心配しないでくれ。私には、何者にも砕くこと適わぬ、無双の剣がある。
 人を超越した神の御業を以って、必ずや勝利を掴んで見せよう……


 人の気配を感じ、男は瞼を開く。
 深夜の裏路地に、幾つかの人影がうごめいた。
 熱帯夜の袋小路でマントに身を包んだ男の存在に気付いた人影は、無遠慮に男に近付くと、らニヤニヤと薄ら笑いを浮かべながら、男の周りを取り囲んだ。
 影はどれも男性のもののようであり、全員比較的若そうだ。
 手には何やら、思い思いの鈍器を持っている。
「オィ? オッサン、こんなとこでナニやってんだ?」
 口許を歪ませながら、一人の……まだ少年と言っても良いかもしれない、若い男が言った。
 彼の回りの男達もほぼ同世代なのだろう。何がおかしいのか、突然ゲラゲラと笑い出したりしている。
「っつーか、アレ? コイツこないだの通り魔っぽくねえ?」
 話し掛けてきた男がリーダー格なのだろう。周りの少年達は、口々に「やべえマジだ」「絶対そうだろ」と、同調している。
「じゃあよ、コイツぶっ殺したらオレ達ヒーローじゃねえの?」
 そういうとリーダー格の男は、持っていた鉄パイプを高々と掲げる。
 ニヤニヤ笑いを一切崩さないまま、躊躇いを微塵も見せず、マントの男目掛けて鉄パイプを振り下ろす。
 真夜中の裏路地に、血飛沫が躍り上がった。 

 

4

 一青百鬼は夜の街を歩いていた。
 先日の通り魔事件から百鬼は犯人の足取りを求め、連日連夜、新宿区の見回りを行っていたのだ。
 そもそもその事件が彼等神社庁の管轄であるかどうかも定かでない状況にありながら、犯人を追う百鬼の胸には確信に近いものがあった。

 事件発生が人通りの多い時刻とあって、その目撃者は多い。
 しかし、捜査本部に寄せられる情報と言えば、やれマントを羽織った男だった。やれ戦時中の兵隊のような帽子を被っていた。というように、犯人の服装に関する事ばかりだ。
 警察も容疑者の人相描きを作ろうと試みたようだが、人相に関する目撃証言は無かったらしい。
 捜査本部では、犯人は既に逃亡している可能性が高いなどと声高に叫ぶ者も居るようだが、それに関しても、裏付けとなるような情報は上がっていなかった。
 つまり、犯人の足取りは以前掴めていないままと言うことだ。
「夜の見回りなんてしても無駄だと思いますけどね。そんなの警察が数十人体制でやってますから、今更一人増えても変わりませんって」
 神社庁特別対応班の同僚、阿傍閻はそう言ったが、百鬼は聞き入れようとはしなかった。
 犯人は必ず近くに潜伏している。それが百鬼の考えだった。
 なぜそう思うのか。それは百鬼自身にも説明は出来ないことであった。しかし、その「予感」としか言いようの無い確信に従い、己の信じる通りに行動しているのだ。

 見回りを始めてから三日。その夜も、何事も無いまま更けていった。
 元々すぐに成果が上がるなどとは思っていない。他の仕事が舞い込んで来ない限り、百鬼は、それこそ一ヶ月でも二ヶ月でも、この見回りを続けるつもりだった。
 その日百鬼が歩いていたのは、事件が起こったオフィス街から数ブロックと離れていない区画だ。
 自身の勘を頼るなら、犯人は何らかの理由によりこの場所に潜伏している。
 その裏付けのために閻に最近の事件を調べてもらったのだが、その中から今回と同一犯による犯行の可能性が考えられる事件が二件ほど浮かび上がってきた。
 およそ十日前の事である。やはりこの近辺で、若者が刃物を持った何者かに襲われ、重傷を負う事件が立て続けに起こった。
 若者は地元の暴走族に所属する十七歳の少年らで、川崎を中心に活動している敵対グループに襲われたのではと見られていた。
 それを受けた警視庁と神奈川県警が連携をとり、夏の暴走族一斉検挙が検討されていた。その矢先に今回の事件が発生したという訳だ。
 勿論警察当局では、今回も暴走族メンバーによる犯行の可能性でも捜査を続けては居る。しかし無関係な一般人一人を死亡させた今回の事件に、暴走族程度が関わっている等と考える者は少なかった。
 百鬼も暴走族の少年が犯行に及んだなどとは、微塵も考えては居ない。それどころか、先の事件に関しても、今回の犯人によるものではないかと見ていた。
 そしてその犯人は、前回の犯行から現在に至るまでずっとこの近辺に身を潜めていたのだ。
 普通ならば逃げる……少なくとも、こうも短い期間に、立て続けに事件を起こしたりはしないだろう。
 にも拘わらず、犯人は事件を起こした。
 これは、事件を起こさず時効まで隠し通すという事を考えていない。若しくは、殺人の衝動を抑えられないという、犯人の人間性を表して居るのでは無いだろうか?
 だとしても、犯人が一つ所に留まる事はおかしい。
 故に、百鬼は犯人が何等かの目的が有ってこの場所に留まっている。若しくは、他の場所へ行けない理由があるのではと考えたのだ。
 勿論思い過ごしかもしれない。だが、百鬼は犯人が口走ったという言葉が胸に引っ掛かったのだ。

 明かりの消えたオフィス街が終わろうとしている。
 結局この辺りで不審な人物は誰も居なかった。
 大通りまで出たら、神宮に帰ろう。百鬼がそんな事を考えていた時、ガタガタと大きな物音が聞こえてきた。
 音のする方向へ目を遣った百鬼の目に映ったのは、薄暗いビルの合間から、自分目掛けて勢いよく飛び出して来る何者かの姿だった。 

 

 

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